「北アルプス」と聞くと、険しい山々や長く辛い登山道などが思い浮かび、
「登山を始めたばかりの私にはまだ無理かも…」なんて思いませんか?
でも実は、北アルプスには登山初心者でも日帰りで楽しめる絶景ルートがたくさんあるんです!
この記事では、安曇野にある宿の主人の私が「登山にハマり始めた初心者の方」に向けて、
登山歴20年の私自身の実体験も交えながら、
北アルプスで日帰り登山を楽しむコツやおすすめルートを紹介していきます。
次の山行計画の参考に、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
そもそも北アルプスって日帰りで行けるの?
「北アルプス」と聞くと、山岳愛好家たちが挑む“上級者の聖地”というイメージがありませんか?
実際、北アルプスは槍ヶ岳や穂高連峰など、日本を代表する高山が連なるエリアで、
国内でもトップクラスの登山スポットとして知られています。
しかし、それだけに「初心者には無理なのでは?」と不安に思う方も多いはず。
まずは、北アルプスの魅力と登山道の実態を紐解いていきましょう!
北アルプスってどんなところ?
「北アルプスって上級者向けじゃないの?」と、どうしても思われがち。
でも実は人気なだけあって、
登山道は日本一といっていいほど整備されていて
山頂の近くまで乗り物でアクセスできる
ところなど、歩きやすいところが本当に多いんです!
ルート上に山小屋がたくさんあって名物の美味しいご飯が食べられたり、
トイレもほしいタイミングで設置されていて、「ここは本当に山なの?」と思ってしまうほど。
アクセスしやすい登山口も多いので、後で紹介する必要な準備さえできていれば
最初の一歩として選ぶにはぴったりなんです!
北アルプスの魅力はズバリ、絶景!
北アルプスの登山で何よりも楽しみなのが、山頂や稜線から見下ろす圧倒的な景色。
雄大な山々の連なりや、雲海の広がる風景は、日常では味わえない感動を与えてくれます。
登山道の途中でもお花畑や清流が現れたりして、歩いているだけで癒されること間違いなし!
それに、頑張って登った分だけ「登頂した!」という達成感もひとしおです。
特に、標高2,000m以上の高山デビューや「ちょっとステップアップしてみたいな」という人には、
北アルプスは最高のフィールドなんです!
北アルプスは、初心者でも楽しめる整備された登山道やアクセスの良さ、
そして何よりも圧倒的な絶景が魅力のフィールドです。
ただ、標高の高い北アルプスを安全に歩くためには
やはりそれなりに準備も必要になってくるのでここからご紹介していきますね。
初心者が北アルプスを歩くために必要な3つの要素
「北アルプスに登ってみたいけど、何を準備すればいいの?」と悩む初心者の方も多いはず。
登山は事前の準備がとっても大事!
ここでは初めて北アルプスに挑戦するために必要な3つのポイントを
わかりやすくご紹介しますね。
①必要な装備:これだけは絶対にそろえよう!
登山の装備はあなたの「お守り」
山に合った装備があれば安心して山を楽しめますが、
逆に、ないと想定外の状況に対応できず遭難してしまうケースもあるほど。
これから挙げる道具は登山において3種の神器と呼ばれているくらい重要なものなので、
しっかりしたものを用意して登山を楽しみましょう!
いろいろなメーカーから様々な機能やおしゃれアイテムも作られているので
自分だけの登山装備を選ぶのも楽しいですよ。
足元が安定しないと転倒や疲れのリスクがあり本当に疲れます!
滑りにくく、足首をサポートしてくれる登山靴を選びましょう。
春から秋の季節で北アルプスを歩くときはある程度ソールに固さがある
3シーズン用のものがおすすめです。
日帰りなら20〜30リットルくらいの軽量なものがベスト。
ザックは肩への負担を減らせるよう腰や胸にベルトがあるものがおススメです。
そして、登山用のザックは実は靴と同じくらい身体へのフィット感が大切なことは知っていましたか?
可能なら実際にお店でフィッティングをして自分の体系に合った背負いやすいものを選びましょう。
地上と違い、山の天気は変わりやすいので忘れないよう用意しましょう!
登山中に雨に濡れて身体が冷えると低体温症になり動けなくなってしまうということも実際に発生しています。
私のおススメは生地に”ゴアテックス素材”が使われているウェア一択です!
(もしくは各メーカーが独自に開発している防水浸透性の機能があるもの)
雨を内側に通さないだけでなく、汗などの内側から発生する水分を外に逃がしてくれる魔法のような素材なんです。
私も時々雨に合いますが、ゴアテックス素材の雨具を着ていると土砂降りの雨でも
中は全く濡れていないので超快適です。
値段は少し高めですがアウトドア風のアウターとして日常でも使えるものとして考えて、
妥協せずよいものを買うことをおすすめします!
「全部揃えるのはちょっと…」という方は、レンタルショップも活用してみてくださいね!
https://www.soranoshita.net/climbing/
②登山計画:時間配分は余裕をもって!
初心者にとって無理のない登山計画はとても大切。
特に日帰り登山では時間配分がカギになります。
出発時間は早めに!
早朝に出発すれば余裕をもって行動できます。
お昼前には山頂に到着するくらいの計画を立てましょう。
コースタイム+1時間を目安に
登山地図やアプリに書かれている「コースタイム」はあくまで目安。
初心者ならちょっと余裕を持たせるくらいがちょうどいいです。
下山時間も意識しよう
山では夕方になると暗くなりやすいので、下山は遅くても15時くらいまでに。
「時間に追われる登山」は楽しくないので、
ゆっくりと景色を楽しむ余裕を持てるといいですね!
③体力づくり:おすすめのトレーニング方法
登山に必要なトレーニングは何が一番よいのか?
答えは遅筋トレーニングと適切な栄養補給と十分な睡眠です。
遅筋という言葉はあまり耳にしたことがないかもしれませんが、
筋肉に負担をかけずに小さな力を継続的に発揮する特徴があるのです。
登山でいう体力とは
筋力(身体を安定させる力)+筋持久力(長時間筋肉を動かし続けられる力)
と言われています。
重ねて北アルプスのような標高が高い山を歩く際には
酸素が薄い中で動き続けられる呼吸循環機能
も必要になってきます。
ここが北アルプスと他の山とで大きく違うところですよね。
ではどうやって北アルプスを歩く体力をつければよいのでしょうか?
答えはいたってシンプル。
- ランニング
- 水泳
- サイクリング
などの普段行っているトレーニングを
行うだけでOK!
身体に負担をかけないというところがポイントです。
ゆっくり長くつづけることにより毛細血管の酸素を供給する力を高められ、
結果的に北アルプスのような高山でも疲れをためずに動き続けられるようになるのです!
これだけ押さえれば、北アルプス日帰り登山デビューの準備はバッチリ!
焦らず自分のペースで、絶景を目指して一歩ずつ楽しんでくださいね。
ではいよいよ日帰りで歩ける北アルプスの絶景ルートを紹介していきます!
【初級者向け】憧れの北アルプス日帰り絶景ルート
この章では”超”初級者向けのルート3つを紹介します。
全てのルートで山頂や目的地付近までバスやゴンドラでアクセスできるうえ、
売店やトイレなど施設が充実していることも初心者におススメのポイントなんです!
登山道にたくさんの人がいることも安心ポイントになりそうですね!
乗鞍岳(のりくらだけ):登山道も整備されていて安心!手軽に3000m級を体験
難易度:E(超初級者向け)
標高:3,026m
累積標高差:422m
歩行時間:3時間
おすすめ時期:秋(9月中旬~10月上旬)
360°のパノラマでここにしかない紅葉が楽しめます!
主人のイチオシ👆
標高3,000m級の山なのに2,700mまでなんとバスでアクセス可能!
バスを降りた瞬間から景色がよく、開けた世界での山歩きが気持ちいいです。
ルート全体の累積標高差は400mほど。
高尾山の表参道コースよりも登りが少ないので、
我が家の小学校3年生の子どもも余裕で歩いていました笑
途中の肩の小屋ではゆっくりと景色を眺めながら休憩したり、お土産を選んでみたり。
家族で楽しく北アルプスを歩くことができるのも乗鞍岳の魅力の一つですね~。
コース概要
アクセス
八方池(はっぽういけ):ゴンドラとリフトを乗り継いで神秘の池へ!
難易度:E(超初級者向け)
標高:2,060m
累積標高差:255m
歩行時間:1時間30分
おすすめ時期:夏(7月下旬~8月)
登山道の高山植物がとても綺麗に咲く時期です。
山頂に雪が残った白馬の山々に囲まれながら天空の稜線歩きが楽しめます!
主人のイチオシ👆
ゴンドラとリフトに乗って標高1,700mまでひとっとび。
リフトを降りてからは両側を白馬の絶景に囲まれながらの稜線歩きです!
遊歩道も木道が整備されていて歩きやすく、子どもから年配の方までトレッキング感覚で
北アルプスの絶景を楽しむことができます。
ゴールの八方池が映す北アルプスのミラーリングは一見の価値あり!
歩く距離も短いので初心者が北アルプスを日帰りで歩くコースとして、まさにぴったりのルートです。
コース概要
アクセス
立山(たてやま):標高2,450mからアクセスできる天空の山岳リゾート
難易度:D(初級者向け)
標高:3,003m
累積標高差:587m
歩行時間:4時間
おすすめ時期:秋(9月中旬~10月上旬)
私のおすすめはなんといっても秋!紅葉の室堂平は息をのむ景色を見せてくれます。
どこまでも色づく絶景の中を散策するだけでもリラックスできますよ!
主人のイチオシ👆
「立山」と聞くと、”立山黒部アルペンルート”として多くの人が憧れる場所ですが、
実は初心者でも日帰りで楽しめる絶好のスポットなんです!
立山の魅力は、何と言ってもそのアクセスの良さ。
富山県の立山駅からケーブルカーとバスを乗り継ぐだけで、一気に標高2400mまで行けちゃいます。
絶景を楽しみながら気軽に散策や登山ができたり北アルプスを眺めながら温泉に入ったりと、
他にはない山岳体験があなたを待っています!
コース概要
アクセス
北アルプスは「難しい山」というイメージを持たれがちですが、乗鞍岳、八方池、そして立山のように、
初心者でも日帰りで安心して楽しめる絶景ルートがたくさんあります。
まずはアクセスしやすく整備されたコースから始めて、山の魅力をたっぷり味わいましょう!
登山を通じて、きっと新しい景色と自分に出会えるはずです。
【初〜中級者向け】ガンガン歩きたい人に!北アルプス展望ルート
ここからは体力のある人向けの、登りがいのある日帰りコースを紹介します。
歩くスピードが標準タイムくらいの方は15時までに下山できるよう
逆算して早めの出発を心がけましょう。
日程に余裕があってゆっくり歩きたい方は夕日や日の出や満点の星空を楽しめる、
山小屋に泊まるのも素敵な体験になりますよ!
燕岳(つばくろだけ):初心者にも人気の「北アルプスの女王」!
難易度:D(初級者向け) 危険な場所はありませんが日帰りの場合は体力が必要です!
標高:2,763m
累積標高差:1,426m
歩行時間:9時間 ※上記のコース概要はかなり余裕を持った時間になっています
おすすめ時期:夏(7月上旬~9月)
夏季は途中にある合戦小屋で地元産の甘スイカが食べられます。
疲れた身体に甘ーいスイカにめちゃくちゃ癒されるので、絶対に食べましょう笑
主人のイチオシ👆
燕岳の魅力はなんといっても槍ヶ岳の展望と、山頂手前にある「燕山荘」の充実ぶり!
標高2,700mであるにも関わらず、カフェのように綺麗な山小屋です。
名物のケーキを食べながら槍ヶ岳を見ながらのティータイムは登りの疲れを吹き飛ばしてくれるくらいの幸せなひとときを感じられるはず!
山頂は360°の大展望で花崗岩の白い山肌や、「イルカ岩」と呼ばれる天然のオブジェなど、写真が止まらなくなっちゃいますね。
コース概要
アクセス
爺が岳(じいがたけ):3つの頂をもつ剱岳の大展望スポット!
難易度:D(初級者向け)
標高:2,669m
累積標高差:1,546m
歩行時間:8時間30分
おすすめ時期:夏(7月~8月)
夏場は種池山荘からの頂上付近に広がるお花畑に癒されること間違いなし!
中でも山頂直下に咲いている高山植物の女王”コマクサ”がとっても可愛いです。
主人のイチオシ👆
爺が岳は歩行距離は長いのですが、登山道は緩やかな道が続くので初心者にはとてもおススメのルートです。そしてなんといっても北アルプスの名峰の剱岳と槍ヶ岳が一度に見渡せる大展望!
名前が地味でなかなか人気がでないのですが笑、個人的にはとてもお気に入りの山ですね。
途中にある種池山荘では石焼のピザが美味しくて有名なので、休憩がてらぜひ召し上がってみてください!
コース概要
アクセス
JR松本駅 ⇒ 大糸線 信濃大町駅 ⇒ アルピコ交通扇沢バス停から徒歩10分
北アルプスの絶景をさらに楽しみたいという方向けに「燕岳」と「爺が岳」のルートをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
▲△▲体力があれば!長時間ガンガン歩ける初心者におススメの山▲△▲
・燕岳:北アルプスの女王と呼ばれる美しい稜線を歩き、頂上からは槍ヶ岳をはじめとした壮大な山々を望めます。
比較的歩きやすく途中の楽しみも多いので、初心者から一歩ステップアップしたい人にぴったり!
・爺が岳ルート:北アルプスの代表的な展望スポットで、王冠のような美しい山容が特徴的。
登山道は少し長めですが緩やかで、山頂からの絶景と達成感は格別です。
どちらも「ガンガン歩きたい!」と思う人にとって挑戦しがいのあるコースです。無理のない計画としっかりした準備をして、
北アルプスのさらなる魅力を体感してくださいね!
まとめ
・北アルプスの日帰り登山は初心者でも楽しめる!
北アルプスは「上級者向け」と思われがちですが、
アクセスの良い登山口や整備されたルートがあり、初心者でも気軽に挑戦できます。
・初心者が北アルプスを歩くための3つのポイント
1.必要な装備を揃える(靴・ザック・雨具は必須)
2.ゆとりを持った登山計画を立てる
3.酸素が薄い場所でも動き続けられる遅筋トレーニングが重要
・まずはアクセスしやすいルートから
乗鞍岳、八方池、立山は交通期間で高い標高までアクセスできるので
歩く距離が少なく初心者の北アルプスデビューにおすすめ!
体力に自信があれば燕岳や爺が岳など本格的な登山にもチャレンジしてみましょう
自分に合ったプランで北アルプスの魅力を存分に楽しんでくださいね。
次の週末、さっそく山へ出かけてみませんか?